ぼちぼちいこか

今日の仕事帰り、家電量販店へ寄って電話機を買ってきた。
結局、またＦＡＸと子機１台付きの電話を選んだ。
固定電話なんて、いらないんじゃねえの？と言っていたのに・・・。
懲りないやつだ。

電話機の箱を引っ提げて、ぜーぜー言いながら帰宅した私に、
にこにこしながら父が言う。
「今日は重大ニュースがあるんやで。」と。
ああ、なんだかめんどくせえ・・・と罰当たりなことを思ってしまった。

一瞬のうちに心を入れ替えて（？）
「なになに？どんなことがあったの？」と聞いてみた。
ああ、この努力こそがめんどくせえ。

すると父が、とんでもない話しをはじめた。
「めんどくせえ」を連発したことを反省するような話し。
父の話しとは・・・。

「今朝、花に水をやってたら、とりこが来たんやで。」
「とりこのおばけかと思ったわ。」
「お前、生きとったんか？って聞いたら、歩いて寄ってきたんや。」
「カリカリ（ドライフード）をあげたら、いっぱい食べて、
ちょっと残して、またどっかに行きよった。」

「見間違いでしょう？」と聞いても「父さんは、まだそんなにボケてない。」と言う。

「とりっちょは、白いところもあるねんで。」と言うと「わかってるよ。」との返事。

「とりっちょは猫エイズやと思ってんけど」と言うと
「いいや。前より、ちょっとふっくらして、目もあんまり汚れてなかったし、
顔もきれいやったで。」と。

「あれは、絶対にとりこやから。えさとりこやから。」と言い続ける父。

ほんとなのかな？
こんなに父が自信を持って言うのだから、とりっちょなのかな？

「また来ると思うから、見てみ。とりこやから。」と、まだ言っている。

ほんとにとりっちょかな？
お父さんが幻を見たんじゃないの？と疑ってしまう。


約１年前のとりっちょです。

でも、もし、本当にとりっちょだったら、こんなにうれしいことはない。
うちを覚えていてくれたことがうれしい。
そして、何より、とりっちょが無事でいてくれたことがうれしい。
幻影ではなく、本当にとりっちょでありますように。

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