ぼちぼちいこか

5月29日の初診から1週間が過ぎたので
「血液検査の結果を聞きに行ってみれば？」
「不安ならついて行くよ。」などなど言ってみたけど
「まだ薬はあるから・・・」と言って先延ばしにする父。
まあね。
病院なんてもの1回行くごとに費用がかかるものだから、節約したい気持ちもあるのだろうね。

６月も下旬近くになって、父がようやく「Nクリニックに行ってくる。」と言う。
私も仕事があるので、気が向いたときにひとりで行くと言う。
大丈夫かな？と思いながらも、いつもいつも付き添っていると余計に弱ってしまうかもしれない。
ひとりで頑張ってもらいましょう。

父の通院の日、検査の結果が気になってしょうがなかった。

仕事中も、まだかな？診察が終わったら電話してくるはずよね。と思いながら待っていた。
けど、電話はかかってこなかった。

痺れを切らせた私が電話をかけた。
「どうやったの？脊柱管狭窄症の治療は必要なの？」と聞いた。

「脊柱管狭窄症どころの騒ぎじゃないって先生に言われて。」と父。

今日もレントゲンとCTの検査をしてきたと言う。

そして、絞り出すような声で




「父さん、がんらしいわ。」と。





「え？え？なんて？」





「父さん、がんやねんて。」





すぐには理解できない言葉。

『がん』



「どこの？」


「肝臓と肺ともうひとつどっか言われたけど。」


「〇日に家族と一緒に来て下さいって言われた。」






なんてこと。

父みたいなひとに「がん」と言ったら、がんでなくても「がん」になってしまう。

かかりつけ医を変えたばかりだから、父の性格や人間性を見てくれていないから、
まだ父のことを知ってくれていないから
父本人に向かって「がん」「がん」とガンガン言う。

家族と一緒に来るように言うのなら、その時にしてくれればよかったのに・・・。




2019年6月26日
私の56歳の誕生日だった。

父ががんの告知を受けた。


友人が私の誕生日を祝う食事会を開いてくれた。
美味しく食べて、美味しく飲んだ。


そして、泣いた。

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